« ちょっと休憩・・・ | トップページ | 一難去って、また一難・・・ »

本紅 まぼろし

Img_8781b_2

末に摘む。そう、まさに似合いといえるのかもね。

 

もう、古裂でしか残っていないのかと思っていました。

三十年、いえもそっと前でさえそうだったのですから。

祖母が手持ちの紅絹を

「こんなもの、どうするの?」

といいながら、ゆずってくれたときは

あっけにとられるくらい かんたんに夢がかなったのだと思いました。

Img_8796b

けれど、洗い張りしたこの布たちを、もういちど役立てることはかないませんでした。

横浜大空襲を焼け残り、お芋やお米に化けるのさえ踏みとどまった布たちなのに、もう生地の力は残っていないのでした。

ひょっとしたら、まずしかったころ需めた安手のきれ、あるいはもう物のない時代にやっとこさ生産された布だったのでしょうか。

祖母もいない今となっては確かめようもありませんが。

思い出しました。

そういえば、たしか、夫の母にも、

やっぱり、「何にするの」といわれながら 譲り受けたんでしたっけ。

たぶん、てまえのがそうだったと思います。

礼装は必要でそれなりに着たころでしたが、おしゃれ着なんてとても手がだせませんでした。

 

縁とはふしぎなもの。

もし藍大島を仕立ててしまった後なら、紅絹ときいても反応しなかったかもしれません。

地味な表地のさびしさが身にしみなかったら、やり過ごしていたかもしれません。

もう、この国では作れなくなった、という瀬戸際になって、

紅絹はわたしの手元にやってきました。

Img_8786b

西をさし、波間にはためいた紅い旗。

それとも 柳に締めた独鈷の下のしごきのにじみ。

とまれ、 幻想はかまびすしくとも

手にした翅のような羽二重は すこやかで

こころなし きっぱりと しずかにかがやいているようです。

 

外は飾らずとも 裡に火を、

そんな東女にあくがれて。

 

酒袋って・・・ (発端は、この日のコメント欄から。呼び水となったのは、こちらの記事→ 紅絹) 

幻の「紅絹」

本紅で染めた紅絹の色落ちを検査する

本紅で染めた紅絹をテストする

 

  

« ちょっと休憩・・・ | トップページ | 一難去って、また一難・・・ »

ばぶるす」カテゴリの記事

コメント

古い紅絹で、方除けのさるぼぼを作りました。
お福人形のおざぶに土びなのもうせん、
ちょびっとずつしか使ってないけど、
なぜかそこだけはいつも春。
ふしぎな色ですね。

とんぼさま

ほんとに、ふしぎな色ですね。
ファインダーをのぞいても、肉眼で見ている色と、まったく違うのです。
なんでこんなに朱っぽく写っちゃうんでしょう。

洗い張りの紅絹たちもご同様で、いろとりどりの赤の加減、織、すべて一律のまっかっかで終わりです。
これは、画像でみわけるのは無理ですね。

早速の御開帳ですね。
上の写真で白糸でかがってあるものは未使用ではありませんか?
可成り古くても未使用であれば使えるとは思いますが。
沢山の紅絹を収集しておられる様で、その想いが素敵な詩に綴られるのは清らかな魂の発露を見る様でこちらも心洗われます。

とっても鮮やかな赤、赤も色々ですね。
布力が残っていないのは本当に残念・・・
それでも、袷の腰巻にならないものかと
人様の物を勝手に思ってしまう私って・・・

Otyukunさま

遅くなりました。

>白糸でかがってある

天袋によじのぼって確認しました。
渋のこよりのくっついた、洗い張りでした。。。

しっかりしたところほど、万一のことを考えて、仕立てを断られることが多いようです。
でも、機会があったら、もう一度相談してみようかと思っています。


陽花さま

こうやってきれいになってると、使えそうなんですが・・・

もういちどよく吟味して、使えそうなものがないか見てみます。

羽二重って、とっても好きなんですよ。

せめて、お人形さんのお着物が縫えたらいいんですけれど。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ちょっと休憩・・・ | トップページ | 一難去って、また一難・・・ »

Calendar

Solo

  • Mushi-Biyori
    (C) 2005-15 Mushi-Biyori All rights Reserved.
  • Pass

Recommend

無料ブログはココログ