« 母のきもの | トップページ | すずやすず・・・ »

托されて

帯選びで、とんちんかんな質問を連発するわたしに

お友だちが手持ちの帯を見せてくださった。

「ひとくちに赤といっても」

畳紙をひろげると、錆朱、弁柄、茜、薔薇色・・・

とりどりの色の条(すじ)が流れる。

ひたすら 目移りしているわたしに

Tさんはひとつひとつ、説明をしてくださった。

相手が紬でも、こういう金糸ならあわせられること。

ぽつんとそっけないほどの 栗の実が

おしゃれのひめやかな一人舞台になること。

そしてこのあかの中で わたしに映る色のことなど。

説明を聞きながら、

わたしはそこにひろげられた帯たちが

ただの布地には見えなくなった。

語られたこと そして

語られなかったこと。

色と文様に托されてつたわってくる

母から娘への熱い想い。

せつなく、息がつまるほどの情が

わたしを圧倒する。

ああ、こういうものがあるのだ。

この国の衣装は こころまでも内包し得るのだ。

わたしは むすめに

残してやれるのかしら。

« 母のきもの | トップページ | すずやすず・・・ »

ばぶるす」カテゴリの記事

コメント

本当に色って種類が多いし、赤系とかブルー系とか言ってもその中にまた薄い色から濃い色まで種類があるんですからね。一度カラー診断してもらって、その中からこの色が一番合いますと言われた時は驚きました。それが人間国宝の鮫小紋だったのです。

お写真や、お書きになられることばから
陽花さまのイメージは、勿忘草、あるいは百群と憶測しているのですが、その鮫小紋のお色は、あたっていますでしょうか。

わたしは、いまだに、迷走中で・・・
色についての思い、手をつけたままですが、書き上げてみますね。

どなたかから、背中を押していただけるやも知れませんから。

かつて「絵と写真」を趣味としていた亡父が、
「本当の黒は透明なんだよ」と言いました。
大人になって、旅先の星振る夜空を見上げたとき、
「ああ、そういうことか」と思いました。
無限の色の中に、自分と波長の合う色をみつけると
これが一筋違っても、私の色ではないのだと、
そう思うのです。
色とは、本来「つかまえるものではないか」と
そんなふうに思う私です。

>本当の黒は透明

どっきりしました。

宙の真空、そうなのですね。
混沌ではなく、でも、なんと深い
そら恐ろしくすらある認識でしょう。

うつる色、それをつかまえるまで
まだまだかかりそうですが
よろしくお導きくださいませ。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 母のきもの | トップページ | すずやすず・・・ »

Calendar

Solo

  • Mushi-Biyori
    (C) 2005-15 Mushi-Biyori All rights Reserved.
  • Pass

Recommend

無料ブログはココログ